この記事には広告を含む場合があります。記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
上場直後のIPO銘柄が急騰していたのに
後場にストップ安になっていた
というのはよくあることです。
新興小型株は急騰も早いですが、急落はそれ以上に早いです。
そのため、うまく空売りをして急落をとれば、数分から数時間で高い利益を出せます。
今回の実録シリーズでは
このハイボラな新興小型株の空売りトレードに目を付けた
『兼業投資家のAさん』にまつわる悲劇を紹介したいと思います。
新興小型株(非貸借銘柄)の空売り前提知識
可能な証券会社は限られている
まずはじめに、新興小型株の空売りについて説明します。
とある銘柄を個人投資家が空売りするためには東京取引証券所から貸借銘柄の指定を受けていることが必要となります。
東証1部銘柄は大体は貸借銘柄に指定されていますので、空売りが可能です。
一方の新興小型株のマザーズに上場している銘柄のほとんどは貸借銘柄に指定されていません。
そのため、空売りをすることはできません。
しかし、各証券会社が独自に銘柄を選び貸借銘柄以外でも空売りを対応してくれます(SBI証券は最短でIPO上場後翌営業日から空売りが可能となります)。
つまり、非貸借銘柄の空売りを対応している証券会社であれば新興株の空売りが可能なのです。
- SBI証券・・ハイパー空売り(通称 ハイカラ )
- 松井証券・・プレミアム空売り
- マネックス証券・・スペシャル空売り
証券会社の方で一定数の株数を空売り用に確保していてそれを借りて空売りさせてもらうイメージです。
日計り取引のみ可能です
この空売りは日計りトレード(当日中に手放すこと)に限定されています。つまり翌日への持越しはできません。
もし持ち越してしまった場合は、翌営業日に寄付で反対売買(成り買い注文)させられます。
膨大な手数料
この空売りには普通の空売り手数料とは別の手数料が上乗せされます。通常はできない空売りをするのでその分のコストと考えます。
SBI証券ではHYPER料という名の手数料です。
空売り可能な在庫総数と銘柄の株価によって手数料が異なります。
たとえば、サーバーワークスという銘柄の空売りには
100株で5,600円の手数料かかります。
200株なら12,000円です。
膨大なコストが必要であることはわかっていただけたと思います。
このコスト見合う暴落を取らないといけない結構デンジャラスなトレードなのです。
持ち越したら手数料がヤバイ
もし当日に反対売買をせず、持越しした場合は受渡日までの日数分の手数料を徴収されます。
翌日に強制的に反対売買すると説明しましたが、値幅上限に張り付いた場合で寄り付かないような場合は、また持ち越しとなってしまいます。
3連ストップ高張り付きとか喰らうと死にますね😇
空売りの在庫が限られている
証券会社ごとに空売り可能な在庫が決まっています。
在庫切れになると売り禁とか言って、それ以上は空売りできなくなります。
すでに空売りしていた誰かが反対売買(買い戻し)した場合に在庫が復活します。
Aさん成功トレード
IPO数日後の空売りは勝率が高いし、ボラが高いので少ない資金でも大きな利益を得られる。Aさんは兼業投資家なので相場の滞在時間を短くしたいので、ハイボラで急落を狙ったそうです。
買いでも売りでも大きく取れたロジザード
IPOしたてのロジザードを買いと売りの両方で+30%の利益を取ったAさん
- 18/7/5木 平均価格2,477円で200株を買いで購入
- 18/7/6金 ストップ高の2,950円で100株を利確🤗
- 18/7/9月 GU寄付の3,000円で残り100株を利確🤗
- 買いでは全部で約10万円の利益(+20%)
- 同じ日の7/9に急落を見込んで3,100円でドテンの空売りエントリー
- その日の大底の2,814円で買い戻しの利確🤗
- 空売りでは+9%の利益率で+26,749円(空売り手数料1,813円)
少ない投下資金にも拘らず、買いと売り併せて
13万円ほどの利益を得ることができた。(+30%)
Aさんは3日間で約30%の利益を取れたことに満足したという。
IPOセカンダリとしては最高のトレードができていますね。
上場2日目のバンク・オブ・イノベーション
2018年7月24日に初値を付けたバンクオブイノベーション
Aさんは翌日の7/25に平均2,400円で空売りエントリー
上髭を形成して急落し、大底の平均2070円で利確できたのだ🤗
2,448⇒2,065 (+15%)+36,944円(手数料1,356円)
2,370⇒2,080 (+12%)+27,654円(手数料1,346円)
2,408⇒2,075 (+13%)+31,951円(手数料1349円)
過熱気味のサンバイオで逆張り大成功
個人投資家に人気でそれまで急騰を続けていた本銘柄を19/1/21に上髭の頂点での逆張り空売りに大成功🤗大引けまで持っていたら相当な値幅を取れただけに、早すぎた利確に悔しい思いをしたそうだ。
12,620⇒12,050(+4.5%)+53,810(手数料3,190円)
利確が早すぎた値がさ株のセルソース
上場後に数日のあいだ爆上げしていたセルソースという銘柄を空売り。値嵩株で板薄だ。
空売り直後に急落したので早めの利確。エントリしてから15分ほどだ。しかし、保有し続けていれば10万円以上の値幅がとれただけに早い利確に悔しむ。しかし後述するが、霞ヶ関キャピタルでの1件があったのでこの時は空売りへの恐怖があり、握るのは無理でしたとのこと。
19/11/12 10,140⇒9,660 +40,181(手数料7,819円)
15分で4%の利が乗った成功ケース
Aさん失敗トレード
新興の空売りは日計りトレードが条件となっていることは述べたが、Aさんはたびたび持ち越しするという愚行を犯している。
Aさんいわく、持ち越しした場合で成功したことはゼロだそうだ。
持ち越したことで支払った膨大な手数料も見てほしい。
株価評価損の2.5倍の手数料を払ったKudan
19/01/8に14,160で空売りエントリ。その日はストップ高してしまい撤退ができず持ち越しとなった😱
翌日の1/9に寄り付きに強制成買が執行されて14,300円で約定し、大損。
14160円-14300=-140円なので100株の損失額が-14,000円かと思いきや、-51,533円の損失となり目を疑ったAさん。
なんと1日持ち越しただけで、5日分の空売り手数料が徴収されていた(手数料35,000円)
そこにそのほかの諸経費が詰まれコストだけで37,533円だ
株の値幅の2.5倍のコストが徴収されたことに驚いたAさん。
アルベルト(通称アルちゃん)で退場
Aさんの友人のデイトレーダがアルベルトをメイン銘柄としていた。
この友達のデイトレーダが何度もアルベルトの買いで利確を続けていたので、ひねくれ者のAさんは、たまには空売りで儲けてドやりたい気分になってしまい、急騰したところで「さすがに一回は株価は冷えるだろう」とそれだけの理由で空売りを決意。
そしたら、一回も株価は冷えることなく、急騰してそのままストップ高に張り付いた。
Aさんは顔面真っ青のまま大引となった😱
翌日は成買での強制決済が待っている。唯一の希望は翌日GDしてくれることだ。しかしGU始まりで大きな損切となった。
なお、Aさんはこのトレードで金銭的にも心理的にも大ダメージを負い、相場から一時退場したそうです(数週間で復帰)。
ドやりたいとか話題作りのためとか株価が高すぎるという理由での安易な空売りはNGです。
2018.8.30 9800円空売りエントリ
2018.8.31 10800円撤退
-100,000円の損失+手数料(手数料は記録が残っていなくて不明)
好材料ニュースで寄らずのストップ高オルトプラス
前日まで2連発のストップ高をしていたオルトプラスを空売りしようしたが、その時は在庫切れ。
10時くらいに在庫が復活したたため、空売り。
その後は思惑通り急落して+14%の含み益になり喜んでいたら、前場の引け間際に不自然な急騰があった。Aさんは嫌な予感がしたものの、そのまま後場へ持ち越し。
Aさんが昼ごはんを食べながらオルトプラスの気配がおかしい事に気づいた。
会社から好材料のニュースリリースが発表されたのだ!
そのニュースのせいで後場には寄らずのストップ高となってしまい、その日は持越しとなった😱
翌日GU気配で始まり強制決済。
10%の時点で利確するべきだったと後悔したAさん。
- 19/10/01 700円でエントリーし含み益のまま後場を迎えるも後場はストップ高気配で撤退できず😱
- 19/10/02 811円寄り付き強制決済
1単元で-12,303円(手数料1203円)
2連ストップ高で焼かれた霞ヶ関キャピタル
急騰を続けていた霞が関キャピタル
浮動株が少なくマネゲ化していた本銘柄を安易に空売りしてしまった。板の気配は強いままで、そのままストップ高張り付きして撤退できず😱
翌営業日の強制決済を渋々待ったわけだが、なんとその日も寄らずのストップ高で約定できず😱
その翌日は令和の天皇即位の日で休場。非常におめでたい連休だったのだが、生きた心地がしない廃人状態で過ごした。
- 19/10/18金 5,520円でハイカラ直後にストップ高で撤退できず😱
- 19/10/19-20 土日の休場で撤退できず😱
- 19/10/21月 寄らずのストップ高で撤退できず😱
- 19/10/22火 即位礼正殿の儀で祝日のため撤退できず😱
- 19/10/23水 寄り付きで8,120円で強制手仕舞い😇
株価の純損は8120円-5520円=-2600円×100株
47%の損失率だ。
なおこの時はHYPER料を3日分(18,200円)が加算されて
1単元で-278,200円の損失を喰らった😇
アルベルトに続き、大きな精神ダメージをうけたAさんは2度目の退場を決意した(数週間で復帰)
何度やられても懲りないAさんの正体とは
いかがでしたでしょうか。
恐怖を煽ってしまいましたが、短時間で10%の利益をとれることもあります。
大変スリリングな取引ですね。
上手に付き合えば
少数資金かつ短時間で大きな利益を出せます。
ですが、ハイコスト&ハイリスクで一瞬の判断を間違うと大ダメージを受けることはご理解いただけたと思います。
なお、本記事のAさんとは実は私のことです😇チーン